明和キャンサークリニック

文字サイズ

文字色と背景色

0798-81-4552 (キャンサークリニック代表)

FAX: 0798-81-4562

シンチ検査

シンチ検査の特長

らくらく安全にシンチ検査
体の中お見通しシンチ検査

  • 臓器の血流と、機能(働き)の状態を反映した画像が得られる検査です。
  • シンチで使われる薬品は、ヨード造影剤やMRIで使われる造影剤と異なり、使用される量が極めて少ないために副作用はまず起こりません。検査に苦痛を伴うことはなく安全に行われます。
  • コンピュータを駆使した解析法の進歩によりさまざまな臓器の血流や機能を数値で表わした指標が得られます。これによって客観的な判定、評価が可能となります。

シンチ検査のしくみと原理

シンチ検査は、患者様にラジオアイソトープで標識した、つまり「目印」をつけた「放射性医薬品」を投与することから始まります。しばらくして、投与された放射性医薬品が検査したい臓器や部位に集まったところを、ガンマ線を検出するガンマカメラで体外から撮影します。
撮影には、ガンマカメラが体の周りを回転しながら写す断層撮影法が広く用いられていて、この装置を「SPECT(スペクト)」と呼びます。当院の装置には、このガンマカメラが2台装着されているので、1台の装置よりも検査の効率が良く、必要な時間はおよそ半分で済みます。ほとんどが、20分から30分間で済みます。
この間、患者さまにはベッド上で静かに仰向けになっていただくことになります。検査用の放射性医薬品は、半減期(放射線が半分になる時間)が短い種類が用いられ、被ばく線量は一般的にCTよりも少ない量です。

放射性医薬品と呼ばれていますが、いわゆる「くすり」として人体に直接働きかける作用はありません。あくまで画像を形作るためだけの医薬品です。

撮影された画像(シンチグラムといいます)からは、体内臓器の位置・形状・サイズの情報が得られます。重要なのは臓器の血流と、機能(動き)についての情報で、他の臨床検査では分からない貴重なデータになります。シンチ検査の種類は、30種類ほどもあります。

これらのうち明和キャンサークリニックでは、骨、脳、肝臓、腎臓、心臓、耳下腺、肺、腫瘍、炎症、甲状腺、副甲状腺、副腎、消化管、静脈、リンパ管などのシンチ検査が主に行われています。

シンチ検査によるさまざまな診断

脳血流

脳の血流を評価する検査です。脳血流の異常を検出することで、脳血流の障害、認知症や脳萎縮などの変性疾患の鑑別診断、てんかんの検出などに役立ちます。

対象疾患 さまざまな認知症、脳梗塞、多系統萎縮症などの脊髄小脳変性疾患、てんかん

脳(ダットスキャン)

黒質線条体ドパミン神経の状態が把握できることから、パーキンソン病を含むパーキンソン症候群やレビー小体型認知症の診断に有用です。

対象疾患 レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の鑑別、パーキンソン症候群と本態性振戦の鑑別、脳脊髄の萎縮変性疾患

心筋MIBGシンチ

血管のかたちではなく、その先の心筋細胞の交感神経機能の状態を調べる検査です。最近では心疾患よりも脳の疾患であるレビー小体型認知症パーキンソン病とパーキンソン症候群などの神経変性疾患の評価の方を目的として用いられることが多くなっています。

対象疾患 レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の鑑別、パーキンソン病とそれ以外のパーキンソン症候群の鑑別、心筋交感神経障害

肺血流シンチ

胸痛がみられ、肺血流を妨げる血栓の存在が考えられる場合や、肺気腫などによる肺組織の損傷度を調べるために行われます。

対象疾患 肺動脈の血栓塞栓症、肺気腫・慢性閉塞性肺疾患などの血流障害

腎DMSAシンチ

腎臓の状態、とくに腎皮質の機能状態を調べる検査です。

対象疾患 小児の膀胱尿管逆流現象による逆流性腎症、腎切除手術前の残存腎機能評価、腎外傷後の残存機能評価、腎梗塞の検出、移植腎の機能評価、腎尿細管アシドーシス

腎レノグラム

腎の機能と形態に加えて尿の排泄、通過状態が示されます。

対象疾患 腎不全、腎血管性高血圧、移植腎の機能評価、尿管結石や腫瘍による尿管閉塞(水腎症)、腎血管手術前後における分腎機能評価

甲状腺123I

甲状腺の位置、形、大きさを画像として示すとともに摂取率(甲状腺がどのくらいの量の放射性ヨウ素を取り込んだか)による甲状腺機能の検査です。注射ではなく放射性ヨードのカプセルを服用してもらいます。24時間後の撮影が必要なため翌日も来院して頂く必要があります。食べ物や薬の影響を除くために、1週間程度のヨード制限が必要になります。CTなどのヨード造影剤も禁止となります。

対象疾患 バセドウ病、無痛性甲状腺炎、橋本病、甲状腺腫瘍

甲状腺99mTc

甲状腺の位置、形、大きさを画像として示すとともに摂取率(甲状腺がどのくらいの量の99mTcを取り込んだか)による甲状腺機能の検査です。123Iと違って99mTcを用いた甲状腺検査ではヨード制限は不要です。注射30分後の撮影のみで終りです。翌日の来院は必要ありません。

対象疾患 バセドウ病、無痛性甲状腺炎、橋本病、甲状腺腫瘍

唾液腺99mTc

耳下腺、顎下腺の機能を評価します。この検査では、唾液を生成することができているかどうか、また、生成した唾液をうまく排泄することができるかどうかが分かります。酸っぱい顆粒を服用して唾液分泌を刺激した後に撮影します。

対象疾患 耳下腺腫瘍、シェーグレン症候群

副甲状腺シンチ

甲状腺の左右両葉の上下に2対、合計4個ある副甲状腺のどこが機能亢進症になっているのか見つけるために行われます。

対象疾患 副甲状腺機能亢進症

消化管蛋白漏出シンチ

蛋白漏出性胃腸症は消化管粘膜より管腔内にアルブミンを主とした蛋白が漏出するために、低タンパク血症を伴った疾患です。この検査では蛋白漏出の有無、あればその程度と部位を明らかにできます

対象疾患 低アルブミン血症、蛋白漏出性胃腸症

血液プールシンチ

閉塞性動脈硬化症は主に足の動脈が、細くなるか閉じるかして、流れる血液の量が不足し、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。放射性薬品の投与直後から連続画像を得ることによって足の血流障害の有無を知ることができます。

対象疾患 閉塞性動脈硬化症

肝アシアロシンチ

肝臓の肝実質細胞には糖が結合したタンパク質(糖蛋白)を取り込む機能を持つ受容体 - アシアロ糖蛋白受容体があります。この受容体の量は、肝機能と相関しています。99mTc-GSAを投与し、その血液中からの消失、肝臓への取りの速度を見ることによって、肝機能の程度を評価します。通常の採血検査ではわからないような肝機能の低下も明らかにできます。

対象疾患 慢性肝炎、アルコール性肝炎、肝硬変、肝癌

心筋血流シンチ

心筋血流に依存して心筋に集積する201Tl、99mTc-MIBI、99mTc-tetrofosminを投与し、心筋の虚血、心筋の梗塞、心筋の肥大や拡張、心機能を調べます。
運動負荷時の検査は循環器内科の診察をあらかじめ受けてもらうことが必要です。
安静時の検査は、必ずしも必要ではありません。

対象疾患 狭心症、心筋梗塞、心筋症、心不全

PET-CT検査とシンチ検査の使い分け

さまざまな臓器の悪性腫瘍は、しばしば骨転移を伴うことがあります。シンチ検査のひとつである骨シンチとPET-CT検査はともに全身の骨転移の有無をみることができます。PET-CT検査では骨以外の臓器もみることができる点で有利ですが、骨シンチでしか検出されない場合もあり、医師の判断で両者は使い分けられています。

キャンサークリニックでのシンチ検査の強み

シンチ検査はさまざまな種類があり、検査の部位、疾患は多数となります。検査を依頼される診療所、クリニック、病院などの医療施設において実際の診療を担当される先生方には、検査結果の画像だけではなく、判定の報告書レポートが必ず必要となります。明和キャンサークリニックで行われる検査の画像を判定し、疾患の診断を担当する医師は、この分野を専門として36年目となります。この経験をもとに、検査報告書レポートには依頼された先生方に検査の結果を明記し、画像が意味していること、検査のまとめを疾患名とともにわかりやすく記載しています。必要にして十分な過不足のない報告書レポートによって、当施設で行った検査が、患者さまの以後の診療に役立てられるものと確信しております。

術前のシンチ検査の利用

肝臓の切除手術前に肝臓の機能を正確に把握するためにアシアロシンチが利用されるケースが増加しています。

開業医からの紹介数の増加

認知症を主症状とする患者さまの原因疾患の判定に、かかりつけ医から脳血流シンチ、心筋MIBG、ダットスキャンを利用されるケースが増加しています。

トップページ