独り立ちの日
2024年5月10日
ある日の朝の研修医室・・・
私がいつも通りコンビニで買った
おにぎりをほおばっていると
ある1年目研修医がいつもより早く出勤してきた
私 『どないしたん? 早いやん』
研 『今日、初めての一人当直で
昨日あまり眠れなくて・・』
(上級医と二人ですが、研修医は一人)
医師になれば誰もが必ず経験する『当直』
明和病院の研修医はオリエンテーションが終わり
各科の研修が始まると同時に
2年目研修医によるER特訓が始まる
最初は2年目研修医が働いているところを見学しながら
ERの運用から物品の場所に至るまで
細かくレクチャーを受ける
その後、2年目研修医が当直している時に
練習を兼ねて夜半まで一緒に当直を手伝い、
更に全員1回ずつ2年目研修医と
ペアを組んで上級医と共に当直をして
それが終わればいよいよ上級医と自分だけの
当直独り立ちの日を迎える
夕方私の仕事がひと段落したので
そっとERを覗いてみる
するとちょうど患者さんがストレッチャーに横になり
診察を行っている研修医の姿が
すれ違った時に一言
研 『緊張です・・・』
分かるよ!分かるよ!!
この緊張感は明和病院の事務員の中では
きっと私にしか分からない
一昨年前の秋に病院見学に来てくれた学生さんが
昨年のちょうど今頃
医学部6年生として実習に来て
夏には明和病院の採用試験を受けてくれて
冬には同期となる学生と一緒に国家試験の合格を誓い
この春、晴れて医師国家試験に合格して
まさに今、この場にいる
その経過の全てを知るからこそ
伝わる緊張感
大丈夫!
今日の上級医は誰からも信頼の厚い先生だから
困ったり迷ったら必ず相談しよう
そして明日の朝、
晴れ晴れした気持ちで朝を迎えよう
そしたらこの話を
お父さんとお母さんに報告しよう
きっとほめてくれるに違いない
この緊張感
どうかこれからもずっと忘れないで欲しいと思います
臨床研修センター N